KNFダイアフラム式気体ポンプは、ガスや蒸気を移送・圧縮し、媒体に異物が混入することなく真空状態をつくります。サイズ、モーターの種類、制御、電圧、耐薬品性、安全性、振動、ノイズ、温度耐性など、各用途における要件...
目まぐるしく移り変わる現代において、温かく美味しいコーヒーで一日の心地よいスタートを切ったり、昼休みに一息ついたりすることは、慌ただしい日々を送る私たちに一時の安らぎを与えてくれます。今や、簡単なフィルターコーヒーだけでは多くの消費者を満足させることはできなくなっています。多くの人は、質の高いコーヒーを求めているのです。このトレンドは、コーヒーメーカーを製造するスイスのエバシス社も認識しています。
この会社は、ジャン=ポール・インアルボンとロベルト・ビルヒャーによって 2009 年に設立されて以来、フルオートコーヒーメーカーの常識を覆してきました。エバシス社は、プロのバリスタのあらゆる技術と知識を詳細に分析し、インテリジェントで技術的なコーヒーメーカーとして、1 つのコンセプトを完成させました。その中には、圧縮空気の供給によってバリスタ級の質の高いミルクフォームを作ることも含まれています。そのために、エバシス社の E'Line シリーズや CAMEO シリーズでは KNF の非常に特殊なスイングピストンポンプが使用されています。
以下の記事では、エバシス社と KNF の共同作業についてご紹介します。
イタリア式のスイス製エスプレッソマシン
手動だけに頼らないで質の高いコーヒーを提供するというミッションを掲げ、エバシス社は伝統的なイタリアのエスプレッソマシンと、関連する全パラメータを個別に制御できるスーパーオートマチックと呼ばれるフルオートコーヒーメーカーのインテリジェンスとを融合させました。ボタンひとつでイタリアのバーで提供されるようなコーヒーを味わうことができます。
すべてのマシンはスイスで手作業によって製造されるため、高級素材、精密加工、最高の性能と信頼性が保証されています。この会社は、現在、450 人以上の従業員を抱え、すでに 40,000 台を超えるマシンを生産しています。世界中のカフェやレストラン、ケータリング業者が 高品質のエバシスマシンに信頼を寄せているのです。そのようなエバシス社がマシンのコンポーネントを供給するサプライヤーに高い要求を課しているのも当然のことです。
カスタマイズ化したポンプを小ロットから提供
エバシス社は、2015 年、フルオートコーヒーメーカー CAMEO の開発にあたり、高品質のミルクフォームを製造するため、圧縮空気回路を生成するのに適したソリューションを模索中でした。システムを流れる空気の量を適切に調整することは、ミルクフォームの泡立ちの質を決定します。しかも求められているソリューションは、食品の安全認定に基づく高い要件を満たすと同時に、長寿命という要件も満たす必要がありました。
そのために、スイスのエバシス社は信頼できるエキスパートとして KNF を選択したのです。「KNF は対応の早い頼れるパートナーであり、当社の特殊なニーズをすぐに理解してくれました」とエバシス社の Jonathan Besse 機械製造責任者は共同作業についてこう話しています。わずか数週間で、最初の試作品がエバシス社に提供されました。この時点でエバシス社はまだコンセプト形成の段階だったので、非常に小さなロットサイズでも KNF が顧客の要望に合わせて製品を製造できたことは大きなメリットでした。「それによって、当社の開発に沿ったポンプを定義し、継続的に適合させることができたのです」と Jonathan Besse は言います。
吐出量の増加と同時に貴重な時間を確保
現在、エバシス社は、2 種類の異なるポンプタイプを使用し、システム内を流れる空気量を調整しています。個人向けの E’line シリーズでは KNF のダイアフラムガスポンプ NMP 830 が使用されています。何人もの人が同時に操作する業務用の CAMEO シリーズでは、KNF スイングピストンポンプ NPK 03 が信頼性のあるサービスを提供します。
最適なポンプの開発でエバシス社が重視するのは、長寿命と吐出量の他に、静かな稼働もあります。コーヒーショップで連続稼働する際にポンプ音を顧客に聞こえないようにし、その一方で、しっかりと泡立ったミルクフォームを実現する必要があります。しかも、それに必要な高い圧力供給によって吐出量が減少してはなりません。これらの要件を達成するため、KNF はポンプだけを詳細に観察するのではなく、システム全体に与えるポンプの影響についても検討を加えました。そうすることで、全体のコンテキストの中で最適化の可能性を特定し、それに対応する KNF コンポーネントを開発し、実現することができたのです。
例えば、ダンパープレートによって振動を軽減し、同時にフィルターを組み込むことで静音性も確保しました。「以前は、最適化のために当社独自で個々のコンポーネントをポンプに組み込んでいました。しかし、ポンプシステムについては KNF のエキスパートに任せられるようになったので、私たちは重要な部分、すなわちマシン全体の課題に集中することができました。これにより、私たちは開発プロセスの貴重な時間を確保することができたのです。当社のアプリケーション用に吐出量を増加させたことで、マシン 1 台につき 1 個のポンプだけで済みました。この場合、構成によってはマシン 1 台につき ポンプを 2 個使用する必要があったかもしれません」と Besse は KNF との共同作業による大きなメリットをこう話しています。
未来への視点
エバシス社は、設立以来、売上高を毎年 50% 以上増加させてきました。しかし、それほどの成功があったからといってエバシス社がギヤを下げる理由にはなりません。その反対に、エバシス社は製品ポートフォリオを継続的に拡大しています。エバシス社と KNF の共同作業は、エバシスコーヒーメーカーの 3 番目のシリーズ開発に駒を進めています。ここでも、KNF のポンプソリューションが最適なミルクフォームを提供することでしょう。「過去数年間にわたり、エバシス社と KNF との間では貴重で持続的なビジネス関係が構築されてきました。今回のプロジェクトでも、当社は信頼できるパートナーである KNF の高い信頼性と迅速な対応に大いに期待しています」と Besse は言っています。