KNFダイアフラム式気体ポンプは、ガスや蒸気を移送・圧縮し、媒体に異物が混入することなく真空状態をつくります。サイズ、モーターの種類、制御、電圧、耐薬品性、安全性、振動、ノイズ、温度耐性など、各用途における要件...
何百年も人類は宇宙に魅せられてきました。最近、宇宙が何で出来ているかの最も壮観な発見の幾つかはCERNで作られた粒子によって作られたものから構成されています。これらの粒子検出器を通して特定のガスの混合ガスを循環させるポンプは信頼性も高く、ガスを汚染から守らなくてはなりません。何十年にも渡って、CERNはこれらの厳しい条件を満たすために、KNFのダイアフラムポンプに頼ってきました。
CERN – 宇宙の本質を研究する
宇宙は何でできているか?この基本的な疑問をCERNは答えようとしています。世界トップレベルの研究施設は私たちを取り巻く全てのものの粒子の基本的な構造を探査しています。
スイスの一部とフランスの一部の地中深く埋もれている多種多様な丸型及び線形の粒子アクセレレーターが例えばHiggsボソンの発見あるいは反水素という形で反物質の隔離などのこれまでになかった偉業の数々をもたらす実験のために使用されています。
LHC – 物質をより深く理解するために
放射能などの環境的な影響を相殺するために、CERNにおける最大粒子アクセレレーターであるLarge Hadron Collider (LHC)が地下100メートル(328フィート)に設置されています。そのトンネルは幅が3.8メートル(12.5フィート)で、長さは約27キロメートル(16.8マイル)にも及びます。ここで、粒子は光速に加速され、お互いにぶつかり合います。一連の検出器がこれらの衝突の間に発生する現象を記録します。
充電されると、高エネルギー粒子が貴ガスを超えて衝突し、その発生の時にイオン化の痕跡を残します。これらの小さい信号は電場を使って拡大され、その後、高度な精度によって粒子の痕跡を明らかにするために電子的に計算されます。これらの実験結果から、CERN科学者は物事の構造のより深い洞察を得ます。
CERNに関係している多くのガス
CERNはLarge Hadron Collider において該当する検出器へ正しいガスの混合気を送るために、約30のガスシステムを使用します。検出器ガス混合気は繊細な媒体です。その中で、充電の倍増が記録及び分析される信号を生成します。
そのため、正確で安定したガス混合気の構成がLHC実験の信頼できる操作の鍵なのです。これらの粒子検出器用ガス混合気はアルゴン、ゼノン、ヘリウムやテトラフルオロメタン、テトラフルオロエタン、六フッ化硫黄、イソブタンや二酸化炭素などの貴ガスから構成されています。
ヒッグス粒子の研究をさらに推し進める
CERNにおける4つの主な粒子はA Large Ion Collider Experiment (ALICE)、ATLAS, Compact Muon Solenoid (CMS)、及びLarge Hadron Collider beauty (LHCb)として知られています。KNFダイアフラムポンプが特定のガス混合気を純化及び循環させるために使用されるCMS検出器は長さ21メートル(68.9フィート)、幅15メートル(49.2フィート)、高さ15メートル(49.2フィート)、そして重さが14,000メートルトンです。15個のセクションで構成され、フランスのキャシー近くの地下100メートル(328フィート)のホールにあります。CMS実験は2012年7月にCERNによって検出されたヒッグス粒子への研究を更に進めることを主な目的としています。
ガスの再循環と回収
LHCの実験に必要な検出器の性能(高速性能、電荷増倍率の抑制、長期安定性など)を実現するために、環境に有害なフロン類も検出器の混合ガスとして不可欠な役割を担っています。この問題に対処するため,LHC の物理学者は現在,次世代検出器のためのエコガスに関する研究を進めている。
更に、CERNのEP-DT ガスチームは既に使用されているガス再循環システムの他に大きな実験用のガス回復システムを開発していて、それと同時に、検出器の活動によるガス排出を排除するためにラボ用途でのコンパクトで柔軟性のある再循環システムも開発しています。混合ガスを再循環及び回復することはCERNの運営コストも削減します。
KNFダイアフラムポンプを選ぶ理由数十年
にわたりKNFダイアフラムポンプを使用してきたCERNは、KNFの信頼性と、プロジェクト実施やカスタマイズソリューションの提供における柔軟性を高く評価しています。そこで、CMS粒子検出器の混合ガスの浄化と循環のために、2台のKNFポンプが選ばれました。
また、実験中の故障に備え、3台目のポンプがバックアップとして使用されます。検出器用混合ガスは、汚染されていないこと、循環が損なわれていないことが要求されるため、KNFプロセスポンプは、清浄性、気密性、信頼性の面で理想的なソリューションであることが証明されています。
CERN用に特別にカスタマイズされたポンプ
現在CERNで使用されているポンプは、緊密な連携と高度なカスタマイズの結果生まれたものです。KNF N 0150をベースに、KNF N 1200のポンプヘッド形状を装備したポンプです。
さらに、作業用ダイヤフラムに、万が一破断した場合にガスの漏洩を防ぐ安全用ダイヤフラムを組み合わせるというカスタマイズが施されている。高度なカスタマイズにもかかわらず、工場での厳しいテストを含め、開発に要した期間はわずか1年半でした。
「粒子検出器はppmレベル以下でも濃縮された不純物の存在に対しては非常に敏感です。KNFポンプを試し、この必要条件を満たしました。」
ロベルト・グイド、プロジェクトリーダー、EP-DTがスチーム
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KNFは、幅広い分野における世界的リーダーとの協力関係から得た数十年にわたる専門知識により、最先端のアプリケーションに必要なコンポーネントを理解し、提供することができます。KNFのエキスパートが、お客様のアプリケーションに関するご質問にお答えし、KNFのソリューションがどのようなメリットをもたらすかを説明します。